一日10時間座って夜7時過ぎから約90分、ヴィパッサナー瞑想とは何か、正しく修行するにはどこに気をつければいいかの話があります。

まず、強調されるのが、この10日間は「心の手術中」だから途中でセンターから出ないようにということ。

ある人がこう言っていました。

体をきれいにすることを教えてくれるところはあっても(フィットネスセンターとか美容サロンとかファション雑誌とか)、心をきれいにすることを教えてくれるところってここ以外にないよね?」

自分に起こる様々な出来事に心が勝手に反応して無自覚なまま行動してしまい、自分自身に苦しみをもたらしてしまう心の癖を治すところは確かになかなかなさそうですね。

次に強調されるのが、これは宗教ではないということです。

仏陀が悟った時に用いた瞑想法を教えているのであって、仏教ですらないと説明されます。

仏陀が教えたことはこの講話の時間に説明されます。

いわゆる四聖諦とか八正道とかですね。

それは修行を進めるのに助けになるからです。

あとは、正しく修行するための注意点が説明されます。

どんな感覚でもいい悪いはないから、いい感覚を渇望することなく、嫌な感覚を嫌悪することなく、平静に観察し、

どんな感覚も生まれては消える(アニッチャー)ことに気づいていることが大切だということが強調されます。

講話の時間には面白いたとえ話がたくさん出てきます。

その中で今回一番印象に残った話を紹介します。

それは、怒りの4段階のたとえ話です。(ここで登場人物名がゴエンカ師になっています。それは話を面白くするためにゴエンカ師が自分の名前を使っているのでした。)

<怒りレベル1>

素晴らしい瞑想指導家であるゴエンカ師が歩いていて、道に寝転がっていた男につまずいてしまい、その男から罵声をあびせられてしまう場合。(レベル1から4まで少しずつ状況が違うが、ゴエンカ師がある男につまずいて罵声をあびせられるという点では同じ)

自分は素晴らしい瞑想指導者だと思っていたのに、人につまずいくという失敗をしてしまったことに対する怒り。①

さらにはその人から罵声をあびせられることにより自尊心が傷ついたことによる怒り。②

<怒りレベル2>

レベル1の状況弟子を3人連れていて、その弟子の前で同じことが起こる。

①②の怒りに加え、素晴らしい指導者だと思ってくれている弟子の前で事態が起きたことによる恥ずかしさや③

弟子の自分に対するイメージが壊れてしまったことへの怒りが加わる。④

<怒りレベル3>

レベル1の状況(ゴエンカ師は一人で歩いていて弟子はいない)だが、寝ていた人が愛する息子だった場合。

ゴエンカ師の大事な大事な息子、自慢の息子が、よりにもよって道に寝ていて、自分に罵声を浴びせるとは⁉️

という、自分が期待していた、大切にしていたイメージが崩されてしまった怒り。⑤

大切な人のイメージが崩れたり、その人から罵声を浴びる方が見ず知らずの他人から罵声をあびるより辛いということですね。

<怒りレベル4>最高の怒りレベル

怒りレベル3の状況が弟子3人の前で展開した。

怒りは最高レベルに達する。

私の失敗。

罵声を浴びせられたことに対する怒り。

他人からの「素晴らしい人」というイメージが崩れる。

自分の期待していた息子像が崩れる。

一部始終が自分のことを尊敬してくれている人たちの前で起きた恥ずかしさ。

等々が入り混じり、怒りは最高レベルに‼️

なぜこの話が印象に残ったかというと、夏休み中に私の一言に夫がすごーく怒ったことがあって、そのカラクリがこのたとえ話でよくわかったからなのです。

当時、私には夫がなぜそんなに怒るのか全く理解できませんでした。

でも、このたとえ話を聞いて、ああ、あの状況はレベル3だった、下手したらレベル4になる可能性もあったことがわかりました。

それで、なるほど、激怒するわけだと理解できたのです。

このたとえ話はたぶん自分の怒りの原因を探るのにも役に立つと思います。

出来事事態は大したことないがなくても、自分の中の何かがそれによって壊されてしまった、傷つけられてしまったのです。そこが重要です。

自分の中で壊れてしまったもの、それが怒りの原因だとわかると、それから自由になれるのではないかと思います。

ほとんどの場合、怒りの原因は、出来事そのものではなく、

それによって、自分や他人のイメージ、期待、思い込みが壊されてしまった悲しみによるのではないかと思われます。

でも、それらがただのイメージ、期待、思い込みだとわかれば、それが壊されたとしても大したことではない、

そもそもそんなイメージを勝手に作っていた自分に問題があったんじゃないか?と思えたりします。

ヴィパッサナー瞑想についてこんな記述がありましたのでご紹介します。

☆☆☆

この瞑想法は自分自身に対する理解を深め、さらに幸福で有益な人生を送ることができるようになる正真正銘の技であり、科学的で実際に役立つ方法であるということです。

☆☆☆

もし、機会があったら是非ヴィパッサナー瞑想10日間、体験してみてください。

ただし、瞑想というのは心の深い部分に触れますので危険もあります。

事実、アメリカでは瞑想センターから帰ってから自殺してしまった方がいることが報告されています。

その一方で、ゴエンカ師をはじめ、長年苦しんでいた病気から解放された人たちもいます。(病気を治す目的で参加することは許されていませんが。)

必要なタイミングで体験できるといいなあと思います。

数回にわたるヴィパッサナー瞑想体験記、最後までお読みいただき、ありがとうございました。